でこぱち姫とぽっちゃり王子

少女マンガだったら、きっとここで、
「大丈夫か?」
ってイケメンから助けられて、
恋がスタート!なのに…。

終わりました。
さようなr

トンっ


ん?

誰かの腕が見える。
というか、抱きしめてくれてる!?

もしかして…先生とか!?

「はっ!ごめんなさい、前方不注意でドアn」

『わっ、大丈夫?
…あ、紙散らばっちゃったね。』


え!?


こ、皇太くん!?


「なんでここに!」


私は幻覚を見てるのか?


『いや、さっき職員室の前通ったら、
いい所に通った、野々を手伝って
あげてくれって先生に言われたから。』

な、

なるほど…。
あの教師、自分は手伝う気ないんだな…。



ーー・・・ガコンガコン




何でしょう、この沈黙。
早く終わらせたくなるような威圧感。

くしゃみさえできないような雰囲気。

でもさっきから、
黙々と作業してる皇太くんも皇太くんだ。

そもそも…なんで断らなかったんだろう。
結構酷いこと言っちゃったのに…。


『…野々さん。』

「ひゃい!?」

びっくりしすぎて、声が裏返った。
ぼーっとしてたもんな。
…恥ずかしすぎる。


『あ、のさ…この前は、ごめん。』


「…え?
あ、あぁ…気にしてないよ。」

唐突すぎるよー…。
2度目のびっくり。

気にしてないよーなんて嘘みたいじゃん。

もしかしてこの前って言ったら、
やっぱりあの、あれだよね。

…王子もどきの、やつ。

「あの、私もほんとにごめんと思ってます。
あんなこと言って…。」

『…いや、確信をつかれてびっくりしたよ。
この名前とこの見た目、
もどきって言われても仕方ないよな。』

「いや、私だっておでこ広いのは
ほんとの事だし、
だいぶん前から分かってたのに。」


「それに、私に限って 可愛い とかないかr」


『え…。
俺は、野々さん可愛いと思うよ。』



はい?

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