でこぱち姫とぽっちゃり王子

「あ、ありがとう。
裕哉くんに言われるなんて…
思ってもみなかったよ。」

びっくりしたぁ。
なんか裕哉くんキラキラすぎて、
近づきにくいんだよなぁ。

「あのさ、野々さん。
ちょっといい?」

え、待って。

皇太くんにお礼言ってないよーぉーー!!

ーーーー・・・

な、なんで。
よりによって…

二人きりなわけですか!?

「ど、どうしたの?
こんなところで?」

「いきなりで悪いけどさ…」

バンッ。

何この状況。
なんで、壁ドンされてんの!?

「ほ、ほんとにどーしたの?
裕哉くん?」

「ちょっと黙ってて…。」

く、唇が近い…。
待って待って、私、まだ…。


「こ、心の準備が!」

はぁ、はぁ。
つい突き飛ばしちゃった。

「え?
あー、演技だよ。演技。」

え、演技?

「ごめん、キスシーンのこと話したくて。
ちょっと試しちゃっただけ。」

なんなの。
試すとか、って言うか…

「…き、キスシーン?
そんなの聞いてないけど。」

「いや、なんかさ。
一応そういうのがないと盛り上がらない
だろうって、先生が増やしたらしい。」

あんの、やろぉ!!
そもそも生徒に何求めてんだ!

「それでさ、そういうのは本気で
やりたいんだよね。
中途半端なの嫌いだから。」

「ほ、本気って。
ま、まさか、キスを」

トン

「野々さん面白い反応するよね。
本気でしてもいいけど…。」

「裕哉…くん。」

ドタドタドタ…バンッ!


「「音葉は渡さん!」」


愛空に依桜!?

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