鍵と世界
僕は皆と別れて、昨日貰った名刺に載っていた地図にある[世界救済委員会]の前に辿り着いた。

「地図によると、ここのはずだよな…?」

僕は辿り着いた廃墟の前で呟いた。
人の居る気配が全く無い廃墟の前で…。


「中に何か在るのかな?」

僕は恐る恐る中に入ってみた。


中に入ると広間になっていて、所々に瓦礫が転がっていた。

僕はとりあえず広間の中央まで行き、周りを見渡した。

「どこを見てもなーんにも無いよなぁ。
騙されたのかな…?
しょうがない、帰るか…ミルカは怒ってるだろうな~、明日謝るか~。」

僕が入口に向かって歩こうとした瞬間に、僕が立っている場所が光に包まれた。

「な・何なんだこの光は!?」


次の瞬間、アルの姿は既に消えていた…。



「ここに入ってったなぁ〜。」

ミルカはそう言いながら、アルが入っていった廃墟に足を踏み入れた。


「あれ?居ないな〜?
確かにここに入ってった筈なんだけど…」

周りを見渡してミルカは言った。

「よし、ダン君・ハクア君、皆で手分けしてアー君を探そう〜♪♪」


「仕方ねえな〜。」
「うん、分かったよ。」
ダンとハクアは互いにうなづいた。


「それじゃあ僕は、もう少しこの建物の中を探してみるよ。」

ハクアは二人にそう言った。


「うん、頼んだよ〜♪」
ミルカはそう言いながら手を振って、別の場所へ向かっていった。


「しゃあねえ、俺も探してくるか。」
ダンも面倒くさそうにしながら、別の場所に向かった。



「…さてと、僕も向かおうかな。」
ハクアはアルが消えた場所に立った。


「…ミアカサチナビマヤラアキサタナハマヤラエ…」
ハクアが言葉を紡ぐとアルが消えた時と同じように、立っている場所が光に包まれた。


「…アル…君はどういう決断を下すんだ…。」

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