鍵と世界
「ミルカに半強制的に連れられて、アルを追いかけて来たんだよ。」

ハクアは少し苦笑しながら答えた。

そして、少し間を空けてハクアが神妙な面持ちで聞いてきた。

「アル…君はどうするんだ…?」


僕は何の事か分からずに聞き返した。

「どうするって、何が?」


ハクアから全く予想してなかった言葉が出てきた…。

「この世界・ミストシンクか、もう一つの世界・グロウリンク…どちらの世界を救うのかだよ。」


「へっ?何でもう一つの世界の事を知ってるんだ?
僕が知らないだけで、有名な話なのか?
それに、どちらを救うってどういう意味なんだ?」


僕は訳が分からなくなり、ハクアに問いた。


するとハクアが衝撃的な言葉を口にした。

「いや、僕がその事を知ってるのはちゃんと理由があるんだ。
順を追って説明するよ。アル…僕はグロウリンクの人間なんだ。」


「え、グロウリンクのって…グロウリンクには人類は存在しないって、ガデスが…。」

僕は傍目にも分かるくらいにうろたえていた。
ハクアはそんな僕の状態に関係無く、更に信じがたい現実を突き付けた。
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