鍵と世界

「ホントに―！？
約束だからね♪♪♪


しょうがない、今日は帰ってあげるよ♪♪」

ミルカは上機嫌で帰って行った。


僕は大きく息を吐いた。
「疲れた〜。 ていうかミルカの奴、いつの間に家に入ってきてたんだ？」

僕は答えの出ない疑問を口にした。

ふと時計を見ると、12時を回っていた。


「アル、来たよ。」

突然通信機からハクアの声が届いた。

あまりに急にだったので、僕はドキっとしてしまった。


「ああ、今開けるよ。」
そう言いながら扉のロックを解除した。

まだどうしたら良いのかは全く分からなかったが、とにかくハクアと話せば打開策が見つかるかもしれないという小さな希望を持っていた。


僕がそんな事を考えてると、ハクアが部屋に来た。


「アル…早速話をしようか。君にとって残酷で逃れ得ない話を…」

ハクアはそこには居なかった…。僕の親友である筈のハクアは…。
居たのは、自分の世界を救う使命を持った男…

その男は感情を殺した目で僕を見ていた。