鍵と世界
「いや、僕はもう帰るよ。ミルカ、ゆっくりしていきなよ。」

ハクアはミルカに向かって優しい微笑みで語りかけた。

「うん♪♪またね、ハクア君♪♪」

ミルカは部屋から出るハクアを手を降って見送った。


「ハクア、玄関まで送るよ。ミルカ、少し待ってろよ。」

僕はハクアを見送る為、ハクアの後を追った。


そして玄関に辿り着いた時、ふいにハクアが話しかけてきた。


「アル、ごめんね。
本当ならこんな早くなかったのに…でもそうしなければいけなかったんだ。」

「?」

僕はハクアの言っている事が分からなかった。

「ハクア、それはどういう意味なんだ?」


「今は言えない…言える時が来るかも分からない…だけど今はアルの判断に委ねるしかない。
どちらの世界を救うのかを…。」

正直投げ出したい気持ちだが、そうも言ってられない…。

「…分かった。今すぐには決められないが、待っててくれ。」


ハクアは‘分かった’という顔で微笑んだ。

「それじゃあ、またね。」

「ああ、またな。」

僕らは互いに手を挙げて別れた。

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