鍵と世界
「分かったよ…話すから装置を解除してくれ。」

僕がそう言うと、ミルカはかなり悩む仕草を見せた。

「う〜ん、アー君…ホントのホントにホントの事を話す?」

ミルカは念には念を入れて聞いてきた。
(そこまで信用無いのか…。)


「ああ、本当の事を話すから信じてくれ。」

…そう言うしかないな…。さて、どうするか…。

「む〜、分かったよ〜。」

ミルカは懐からリモコンを取り出してスイッチを押した。
それと同時に僕の周囲の光が瞬時に消えた。


「それじゃあ中で話すから、入れよ。」

僕は家の鍵を開けて中にミルカを迎え入れた。

とりあえず僕の部屋に行って話す事にした。

僕は自分の椅子、ミルカは僕のベッドに腰掛けた。

それと同時にミルカが口を開いた。

「それで?何を隠してるの?」


僕はどう言おうか迷っていた。
真実を話す訳にはいかない。
どう言えば納得するのか…。

そうだ、いっその事…

「ミルカ、実はな…世界を救う勇者にならないかってスカウトされたんだよ〜。」

僕はなるたけ明るく振る舞った。

逆に真実味が無くなる程に…。

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