鍵と世界
五分程待っただろうか…スインが奥の通路から出てきた。

「ガデス様が会って下さるようだ。
付いてきてくれ。」


「分かった…」

僕はおとなしくスインの後に付いていった。
以前通った時と同じ道を通り、僕はガデスの元に案内された。


ガデスは以前と全く変わらぬ状態で僕を待っていた。
まるで時が止まっているかのように…。


「アル君、どうしたんだね?
その顔は私に何か聞きたい事でもあるのかね?」

ガデスは全てお見通しといった感じで僕に話しかけてきた。


「はい、聞きたい事が…すごく大事な事です…。」

僕は一呼吸おいて言葉を続けた。

「なぜグロウリンクに人類が存在しないなんて嘘をついたんですか?」


「なぜ、その事を知っている?
まあ良い。
理由は簡単だよ。君の決意を鈍らせない為だよ。
現に君は真実を知って迷っているのだろ?」

ガデスの言葉に僕は言葉を詰まらせた。
ガデスの言う通りだ…確かに僕は迷っている…。

「だからこその嘘なのだよ。
それでは逆に聞こう。
君に真実を教えたのは誰かね?」

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