鍵と世界
「二人共、早く行くよ。」

ハクアが扉に向かいながらこちらに言ってきた。

「なっ!?」

その次の瞬間、ハクアの驚きの声が部屋に響き渡った。

ハクアの視線の先を辿ると、この部屋の出入り口である扉が消えて、只の壁になっていた…。


するとハクアが、

「くそっ!やられたな…。
こちらの動きは筒抜けだったみたいだな…。
アル・ミルカ、気をつけて!!」


ハクアの警戒の声に、僕とミルカは身構えた……と同時に、部屋全体が発光し始めた!!


「な・何だこれ!?」

「アル、落ち着いて。
どうやらこの部屋自体が転送装置みたいだ。
ガデスは僕達を自分の所に招待したいらしい…。」

ハクアの言葉が終わると同時に、全員の姿は跡形もなくその場所から消えていた…。


僕達は同時に同じ場所に転送されていた。
僕にとっては見覚えがある場所…世界救済委員会委員長であるガデスが居る部屋…。


「やあ、アル君。ミルカ君にハクア君も。
やっぱり君らは面白いね。本来会うはずの無い者達が出会うと、私にすら全ての運命は操作出来ん…。
ハクア君、君をこちらに送ったのはミルカ君だね?」


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