鍵と世界

ハクア

ガデスとハクアの会話は更に続いた…。


「ミルカ君はやはり世界を変えようと思ったのかね?」

「いや、ミルカはただ取り戻したかっただけだよ…。世界よりも大切な存在を…。」


「なるほど。彼女はその為に君を創ったのか?
私に干渉されない存在を。」


「その通りだ…。」


僕はたまらず、二人の会話に割り込んだ。

「ちょっと待てよ!!
ハクア、お前から説明してくれ。一体何の話をしているんだよ?」

「それは…」

僕の問い掛けにハクアは口ごもってしまった。

するとガデスが僕に話しかけてきた。

「私が説明してあげよう。
当事者である君とミルカ君が知らないのもおかしな話だ。

グロウリンクとは、ミストシンクと隣り合う世界というだけではない……グロウリンクは二つの世界が融合した後の姿…つまりは未来の世界なのだよ。」


ガデスの言葉を聞き、僕とミルカは同時にハクアを見た…。

ハクアはゆっくりと頷いた。

するとハクアが、ガデスの後に続くように説明を始めた。


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