鍵と世界
「そう、僕は未来の世界…グロウリンクで生まれた。そしてミルカに頼まれてアルを救いに来た…。」

「救いにって…やっぱり俺はキーブレイカーの運命には逆らえなかったのか…？」


僕の問いにハクアはまたもうなずいた。

「うん…本来なら今から五年後にアルは世界を隔てる壁を壊して、亡くなる…。」

話を聞いて、ミルカが話に割って入ってきた。


「…でも、ハクア君はアー君を助けられるんだよね？」

「うん、大丈夫だよ…」

ハクアは力無く答えた。

「アル君を救う？君が？笑わせるね！！
ハーハッハッハッハッハ！！
哀れな存在の分際で！！」

僕はガデスの言葉が聞き捨てなら無かった。

「哀れな存在？ハクアのどこが哀れな存在なんだよ！！」


ガデスは僕を見ずに、全員に聞かせるように話してきた。


「その哀れな存在を創った張本人が居ないのは残念だが、今のミルカ君が真実を知れば余計な歪みは生まれないだろう…。
簡単な事だ。ハクア君はアル君の身代わりなのだよ。
未来のミルカ君は、アル君の代わりにハクア君に犠牲になってもらう為にハクア君をこの世界に送ったのだよ！」

「え…」

ガデスの言葉にミルカは顔が蒼白になってしまった。
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