鍵と世界

ガデスの言葉に僕らはまたしても声を失った…。

信じられない…信じたくない…。僕はその想いを胸にハクアに詰め寄った…。

「ハクア…嘘だろ？嘘だって言ってくれよ！！」

「いや…全部本当だよ…。僕はアルのクローンで、アルと同じ力を持つキーブレイカー…。
ショックを受けると思って言うに言えなかったんだ…ごめんね…。」


ガデスが急にハクアに話しかけてきた。

「ハクア君。君は勝手に生み出され、そして死ねと言われた。
グロウリンクに未練など無いだろう？
そこでだ、委員会に入らないか？」

「なっ！？」


ガデスのハクアに対する申し出に僕は驚いた。

「ふざけんな！ハクアがそんな…」


「ちょっと待って…」

全てを言い終わる前に、ハクアが言葉を遮った。
「確かに…僕は一人の身勝手な考えで生み出された存在だ…。
世界を救う義務なんて無いんだよな…。
…だけど！！」

ハクアは言葉と同時に右手を上に挙げた！！


〈バチッ！！〉


ハクアの行動がスイッチだったかのように、手を挙げた瞬間にガデスの四肢が光の輪のようなモノで封じられた。


「これは…スインか…。」