鍵と世界
「私を?どうにも出来ないさ。
私は神だと言っただろう?
私には「死」という概念は無い。そんな私をどうにか出来るというのかね?」


見るとスインが空中に現れたスイッチを押していた。

それと同時に天井が消えて巨大な鍵穴が出現した。
「え…何あれ…?」

ミルカが上を見上げながらつぶやいた。

「まさかあれが、キーブレイカーしか壊せない鍵…?
どうなんだ、ハクア?」
僕の言葉にハクアはうなずいた。

「その通りだよ、アル。あれが二つの世界を隔てる要の鍵…。
そして、あの鍵を僕が壊せば全ては救われる!!」


ハクアはそう言うと同時に両手を上に掲げた。

そして僕にも見えた!
ハクアの手から光のような、凄い力を秘めた波動が!!


その波動が上空にある鍵穴に衝突した!!

爆音と煙が入り交じる中、僕はミルカの手を見付けて握り締めた。


煙が晴れると、上空にある鍵穴が消え去って、遥か遠くに建物のような物が見えた。

「あれがグロウリンク…僕達の世界の未来の姿…。」


つぶやきながら、目の端にハクアの姿が映った。力を使い果たし、倒れていくハクアが…。


「ハクア!?」
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