鍵と世界
ミルカは泣きながら、ハクアの言葉に応じた。

「…うん、分かった…。ごめんね…。」


ハクアはミルカの涙を拭った。

「泣かないで、母さん…。アルと仲良くしてね…。素直にならないと、誰かに取られちゃうよ…。」

ハクアは笑みを浮かべた。とても…とても哀しい笑顔だ…。


「…それじゃあ、またね…また会えると信じてる…よ………」


「ハクア…?」
「ハクア君…?」


どうしようもない怒りと哀しみが込み上げてくる…何が悪かった…?誰が悪いんだ…?
その疑問だけが自分の中を無限にループしていた。
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