鍵と世界

日常風景2‐学校生活

「ふぅ〜、何とか間に合ったか。」
僕は額の汗を拭った。


「よく頑張ったねアー君♪」
ミルカは全く汗もかかず、涼しげな顔でそう言った…。


(相変わらず体力はずば抜けてるな…いや体力だけじゃなく勉強の方もか…)

ミルカは学校一の秀才でもあった。

「とにかく教室に行くか。ん?ミルカ?何処に行ったんだ?」


僕の横に居たはずのミルカが消えていた。


周りを見渡すと、15m程離れた所にある芝生の上で気持ち良さそうに寝ていた。


僕は溜め息をつきながら呟いた。

「全く…10年以上の付き合いだが、今だにあいつの行動は把握しきれないな…。」

僕はミルカの傍まで行き、肩をゆすった。

「ほら、ミルカ。起きろって。」

「ふみゅ~…」
ミルカは起きずに、ネコのように体を丸めて寝返りを打った。

(可愛いなぁ~…いや×2、何を考えてるんだ僕は)

僕は気を取り直してもう一度ミルカの肩をゆすって起こした。
するとミルカは体をゆっくりと起こし、盛大にあくびをした。

「おふぁよ〜、アー君…く〜………」

ミルカは懲りずにまた眠りに就こうとした…。
しばらく見ていたかったが、そうもいかない。


「起きろー!!!!!」僕は目一杯の声を出した。


ミルカは目を開けないままゆっくり立ち上がった。


「ほら行くぞー。」

僕はミルカの手を取って教室に向かった。

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