鍵と世界
エピローグ
~10年後~


家の扉が勢いよく開いた。

「おーす!アル・ミルカ、元気かー?」

かつてのクラスメイト、ダンが大声で呼び掛けてきた。

「こら、そんなに大きな声を出さなくてもきこえるわよ。」

ダンの横に居る女性、ハイミーがそれをたしなめた。


「はいよ~、いらっしゃいハイミー。」

僕は来訪者を歓迎した。限定一名で…。

すると目の前に居る見覚えがある奴が、口をはさんできた。

「つれないな~、親友が久し振りに訪ねてきたってのに。」

ダンと会うのは五年振りだが、以前と変わらないノリで僕の肩をバンバン叩いた。

「はいはい。とにかく入れよ。
ほら、ハイミーも。」


「は~い。」

目の前に居る夫婦は、見事なまでに息がそろっていた。


「あれ、誰も居ないのか?」

客間に通されたダンは、周りを見渡してそう言った。

「ああ、今二人して買い物に行ってるんだよ。
もうすぐ帰ってくるはずだよ。」


「ただいま~♪♪」

ダンと話してると、ミルカが帰ってきたようだった。

客間のドアを開けてミルカが入ってきた。


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