白の世界 (幼少期編)
「あ?追い詰めてねぇだろ
このガキは理解してるぜ?色々とな。」
そう言うと私をみてまた口角をあげる
この男の目は嫌いだ
だけど、この男のことは嫌いではなかった
だからなのか、
「私、要らなかったみたい」
少しだけ、話してあげようと思ったのかもしれない
男が目を見開く
私が言った内容にではなく、私が話したことに驚いたのだろう
ただそれは一瞬で、直ぐにまたにやりと笑う
「じゃあ、俺がお前を拾ってもいいんだろ?」
(それは、違うと思うけど。)
常識皆無な男の笑い声とともに、長髪の男の深いため息が聞こえたのを最後に私の意識は遠のいた