白の世界 (幼少期編)
ふわりと体中を包み込まれる
「白はな、綺麗なんだよ。だから何色にでも染まれる。ココロ。お前のその心はお前色にそまれるんだ。」
「そうね。」
シズカの手も私に伸びる
「なあ、ココロ。俺らの子供になんねぇか?」
「…会ったばっかじゃん。」
「そうだな。でも、俺はお前を拾っちまったからな。」
なんだよそれ。
理由になってないんだよ、
「ココちゃんが娘になってくれたら私も嬉しいわ」
こんな優しさ、知らない。
どんどん視界は悪くなる一方で、もはや前は見えていない
私はいらない存在であるけれど、もう少しだけこの暖かさに浸っていたいと思うのは
傲慢でしょうか。
「ッ、お願いッ…しますッ」
12月25日、クリスマスの夜
私は日比野 白ヒビノ ココロに生まれ変わった。