白の世界 (幼少期編)





信号の多い大通りを車で走り抜ける





仕事の付き合いの帰りだったのだが、その日は"たまたま"少し人通りの多い道を走っていた










「若、話し合いはどうだったんだ?」





運転席から後ろを伺うようにして聞いてくる男






こいつは、矢澤 清晴ヤザワ キヨハル




俺の右腕であり、専属の運転手でもある。





「まあ、あちらさんも家と喧嘩する気はそもそもねぇだろうからなぁ。」






俺は幸か不幸か組の子供として生まれちまった。





だから、今若頭なんて似合わねぇことをしている






キヨハルとは子供の頃からの付き合い




仲良くしていたが、いつの間にか"若"なんて呼び方をされている




< 2 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop