白の世界 (幼少期編)
信号の多い大通りを車で走り抜ける
仕事の付き合いの帰りだったのだが、その日は"たまたま"少し人通りの多い道を走っていた
「若、話し合いはどうだったんだ?」
運転席から後ろを伺うようにして聞いてくる男
こいつは、矢澤 清晴ヤザワ キヨハル
俺の右腕であり、専属の運転手でもある。
「まあ、あちらさんも家と喧嘩する気はそもそもねぇだろうからなぁ。」
俺は幸か不幸か組の子供として生まれちまった。
だから、今若頭なんて似合わねぇことをしている
キヨハルとは子供の頃からの付き合い
仲良くしていたが、いつの間にか"若"なんて呼び方をされている