白の世界 (幼少期編)
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朝、
子鳥のさえずりで目が覚めた
やはり、昨日のことは夢では無かったらしい
リュージは未だに私を抱きしめて寝ている
正直に言って重い
ただ、昨日と違うのはシーちゃんが居ないこと
私はリュージの腕から抜け出そうともがく
しかし、この男、寝ているのかと疑いたくなるくらいに力が強く私を離そうとしない
「(くそ、はなせッ)」
「ぷッ」
「(こいつ起きてんじゃねぇかよ)
離せ」
「あー、ばれた?もがもがしてるココロも可愛かったけどなぁ」
「うるさい」
「てか、お前女の子なんだからもっと可愛く喋れよ」
「しらん」
可愛く喋るとはどうするのだ
私は生まれてこの方そんな方法は知らない
「はあ、お前端からおもってたけどよぉ
無口だし無愛想だしってかそもそも無表情だし
ほら、わらってみ?」
びよーんと頬を持ち上げられる
「いひゃい」
「ほら、だから笑えって」
だれが人に頬を抓られて笑えるか
やめて欲しい。うざいにも程があるだろう
そんなやり取りをしていると、リビングの方からシーちゃんの声が響く
「ご飯できたよー!」
「お、飯だって」
リュージは私から手を離し起き上がるが、次の瞬間には私はまたリュージに抱き抱えられている
「…歩ける」
「あ?うるせぇな。だまって抱っこされとけ」
なんて理不尽