白の世界 (幼少期編)
リビングにいくと、ソファのところにシーちゃんはいなかった
その先にあるダイニングテーブルの上にはご飯と味噌汁といった和風の朝食が並ぶ
キッチンからシーちゃんがエプロンを脱ぎながらでてくる
「さあ、食べましょうか!」
四つ椅子がある中に一つだけある子供用の高い椅子に降ろされる
「おー、これまだあったんだな。懐かしいわぁー」
「でしょぉ?倉庫にしまってあったのぉ」
うふふと笑うシーちゃん
リュージはへーぇと感心しながらも私の横に座る
それを見てシーちゃんは私のむかいがわにすわり、みんなでいただきますをした
「ごちそ、さま」
「あ?ココロ全然くってねぇじゃん。」
私の目の前にある物はひと口ふた口ほどしか減ってはいない
一方、リュージは既に最後のひと口を食べ終わろうとしている時だった
シーちゃんでさえ半分以上は食べきっている
「あらぁ、口に合わなかったかしら」
私は首を横に振る
「おいし、かった…」
ほんとに、こんなに美味しくて暖かいのは初めてだった