白の世界 (幼少期編)






そう言えば、とリュージが私の顔をのぞき込む






「昨日いったけどさ、今日親父んとこ行くんだわ」





ほれ、と渡されたのは歯ブラシ






「磨いとけ」






そう言い残すとリュージは和風の家の方に消えていった










素直に歯ブラシをくわえる









「ねえ、ココちゃん」





いま、ここには私とシーちゃんの二人だけ






テーブルの向かい側から私を見るシーちゃん







「ココちゃん、遠慮しなくていいんだからね。もう、私たちの娘なんだから
リュウはあんなんだから、ちょっと冷たく感じちゃうとこもあるかもしれないけど、本当は誰よりも暖かいのよ?」






知ってる、






ズバズバなんでも言ってくるけど、






冷たいなんて感じたこともない







私は、ホントの冷たさを知ってる。












シーちゃんやリュージは暖かい








ニコニコ笑うシーちゃん





「シーちゃん」





「ん?」







「ありがとう。」







感謝の気持ち





これが今の私の精一杯






「うん!」






シーちゃんはもっと笑った





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