白の世界 (幼少期編)
いくらしたのだろう
数十着の服がズラリと並べられる
それを少し興奮気味に選んでいるのは私ではなくシーちゃん
「いやーん!ココちゃんならどれも似合うわぁ!」
これもいいわね!あ、でもコレも捨てがたい
と、一人であたふたするシーちゃん
正直に言ってどれでもいい。
こんなことを言えた立場ではないのは分かってる
だからこそ、選ぶ権利すら今まで無かった私には選べないのだ
リュージが1着手に取る
「これでいーや」
「そうね!ココちゃんにはこれがいいわ!
お父様もこれでメロメロね!」
リュージが選んだのは白のワンピース
袖が広がっていて、ウエストにはピンクのリボンが巻かれている
なんとも可愛らしいデザインだった
服が決まったところでリュージはやっと私を床に下ろす
「ココロ、ばんざーい」
「自分で出来る」
「ちぇ、かわいくねぇーなー」
うるさい。