白の世界 (幼少期編)
彼はもう一度小さく笑う
「知ってる」
爽やかに微笑む姿はまるでどこからが来た王子様だと思った
「いつまで見つめてんの?
俺もいるんだけど」
「リュージいたの」
「いたわボケ」
スコンとリュージに頭を叩かれていてもなんとも絵になる二人にたじろいでしまう
あ、と再び彼が私を向く
「俺、キヨハル」
「キヨハル…」
昨日リュージが呼んでいた名前をいう彼
つまり、それが彼の名であるのだろう
キヨハルはそれを言うと車の後部座席の方のドアを開ける
「どうぞココロ様、」
「ハッどこぞの執事様だ」
リュージが私よりも先にドカドカと車に乗り込むだので、
「キヨハル、ありがとう」
「ん、」
その隣にちょこんと乗り込むと周囲の音をかき消すように車のドアが閉められた