白の世界 (幼少期編)
車内はムード漂う洋楽が心地よく流れる
キヨハルもリュージもかれこれ20分位は黙りで、何も話さない中私も同じく何も話すことは無かった
ただ、時折リュージが私の髪を触って来るので寂しくはなかった
暇すぎて寝そうではあるけれど…
目的地を知らない私はこの時間があとどれ位続くのかを知らない
ゴールの見えないマラソンほど辛いものはないだろう
起きておくのが正解か、将また寝てしまっても良いものか
チラリとリュージに視線をおくる
すると、バッチリ視線が重なった
リュージは私の心などお見通しのように言った
「もうすぐつく」
どうやら、前者が正解のようであった