白の世界 (幼少期編)
リュージに抱かれてたどり着いたのは一際目立つ真っ白な部屋のドア
「あいつの綺麗好きってやっぱり一部屋にしか及ばねぇのな」
「まあ、自分に関係ないところには死んでも手は出さんでしょう」
綺麗なドアノブはここがあの汚い建物だというのを忘れさせる
リュージが私をちらりと見た気がしたが、私はこの部屋の向こうには何があるのか気になり一瞬たりとも目をそらさなかった
キヨハルがガチャりとドアを開ける
シュッ
何かが私たちの頬をかすめていった
「あ、キヨハルじゃん」
中にはボサボサヘアが目立つひょろりと長い男が座っていた
リュージの後ろの壁には細い銀の棒が刺さっている