白の世界 (幼少期編)
「そうか。」
そう言うと、しっかりと整理された机のうえからひとつのファイルを取り出す
「ほら、頼まれ物さ。
君はちょっと来てくれるかい?」
マナミはリュージにそのファイルを手渡すとすぐに私に視線を移す
「リュージ。」
昨日出会ったばかりのはずなのに、既に私はリュージに依存しているらしい
リュージと離れることが、こんなにも不安にさせるなんて…
リュージの顔を伺うと、ふわりとした雰囲気で
「行ってこい。」
なんて言うものだから、私の抱えていたちっぽけな不安なんて全く吹き飛んでしまう
私はまだ足も届かない椅子から飛び降り、マナミという男と共に別室に向かった