白の世界 (幼少期編)





「そうか。」








そう言うと、しっかりと整理された机のうえからひとつのファイルを取り出す






「ほら、頼まれ物さ。


君はちょっと来てくれるかい?」









マナミはリュージにそのファイルを手渡すとすぐに私に視線を移す









「リュージ。」






昨日出会ったばかりのはずなのに、既に私はリュージに依存しているらしい







リュージと離れることが、こんなにも不安にさせるなんて…






リュージの顔を伺うと、ふわりとした雰囲気で





「行ってこい。」







なんて言うものだから、私の抱えていたちっぽけな不安なんて全く吹き飛んでしまう








私はまだ足も届かない椅子から飛び降り、マナミという男と共に別室に向かった







< 48 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop