白の世界 (幼少期編)





みるみるうちにマナミの口角が上がる








「おもしろいね」







ああ、







こいつも私と同じだ










壊れてる。











「私は、」









「私はただ、自分が知らないものが嫌なだけ」










そうポツリと言い捨てると同時に右手に握っていた銀のそれから手を離す








必然的に鳴る特有の鉄の音が淋しげにこだます








マナミから一歩、また一歩とはなれる






マナミの表情はまるで別人のように─先程の私に対する態度とは別人のように─にこやかに私の姿を捕える







「君、やっぱり面白いね。」








『調べがいがあるよ』












彼もまた、どこかに色を無くしてきてしまった1人なんだ








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