白の世界 (幼少期編)
睡魔が襲い、瞳を閉じかけた時遠くで車の閉まる音が聞こえた
降りてきた人がこちらに向かってくる足音が聞こえる
その人の声が聞こえたのは、うつむく視線の先に高そうな革靴が見えた頃だった
「さむくねぇの?」
「(寒いに決まってるだろ)」
「なあ、」
声からするに、目の前にいるのは男らしい
私が返事をしないからか、それとも視線すら向けないからか、
男の声がさらに私に近づく
男は私の服から出ている腕に手を伸ばす
パシッ
「触るな」
視界に入った男はとても整った顔立ちをしていた