白の世界 (幼少期編)
つまり、彼もとい、日比野くんを騙したのはもちろん僕のことであり
マナミという存在のことである
...マナミ
そう、マナミ。
僕はマナミであるが、マナミではない。
日比野くんにとってはマナミであるが、ほかの人からはマナミでないかもしれないし、あるいは、そうかもしれない。
つまり、僕は偽物であり、本物であり、偽物ということである。
しかし、今現在、日比野くんと交流があるのは、少なからず騙される方である彼に対して憐れみ、心底心痛めたマナミ、もとい僕が少しは真っ当な人間になったという証なのか、はたまたそうではないのか...
まあ、あれだよ。
僕も、随分丸くなったということなのだよ。