白の世界 (幼少期編)
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マナミがいたあの廃ビルから出てすぐさま車に乗り込んだ
別に急ぐ理由もないのだけれど、とりわけここにいたいという訳でも無いため、ああ、早くシーちゃんに会いたいなどと思いながら車が走る音に耳を傾けていた
リュージは優雅に足を組み口から白い煙もといタバコの煙をプカプカと吐き出し、
キヨハルはひとつにくくられた黒髪をゆらりゆらりとさせながら交差点を右折させた
視線に気づいたのか、バックミラー越しにキヨハルと目が合い、少しの気まずさを覚え視線を窓の外に移した
しかし、これと言って気になることもなく、飽きた私が白のワンピースをパタパタと触りだした頃、ようやくリュージはタバコを吸い終わったようで私へ視線を向けた