白の世界 (幼少期編)





男が私を抱えたまま車に乗り込めば長髪の男も仕方なしに車を走らせた







「離せ」





抵抗するのも疲れた。これでダメなら何も出来やしないだろう






私の考えとは裏腹に男は簡単に私を手放した





私を自分の隣に座らせる





そう言えば、車の中はとても暖かかった






「お前、なんであんなとこにいたんだ?」






この質問の意図が私には分からない






「…別に」





「おいおい、別にじゃわかんねぇだろうが」






「…」






この男は私があそこにいた理由を分かっている。





確信はないが、たぶん






だからこそなぜそんな質問をするのか、分からなかった







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