僕等のサンカク関係、
Day.1 前途多難!?

1.一人暮らし

「氷柱!!
何かあったら
何時でも帰ってくるのよ!!」

「何も無くても
帰って来て良いんだからな!!」


「帰ってきた時は、
電話するんだぞ!!」

「また明日からも、
学校に迎えに行ってやるから!!」

「……」


何なんだ、
この超過保護一家は。


親バカ一家からどうしても離れたくて、
一人暮らしを決意したあたし。


部屋に荷物も届け、
今日からその一人暮らしを始めるのだが――――…



まるで娘が嫁に行ってしまう様な、
(否、ソレ以上だ絶対………)

オーバーリアクションをする両親と兄達。


だから離れたくなるんだって…



全く…
過保護にも程がある。

そんなあたしの心境も露知らず、
4人はハンカチを目に当てて
ヨヨヨヨ~と効果音が着きそうな程萎れている。


「はぁ…ッ」

あたしはどんなに説得したって埒の明かなさそうな家族を置き、
新居のマンションの方向へと脚を運ぶ。



「「「「つ、氷柱ぁ~~~~……」」」」

玄関前で泣き叫ぶ家族を
置き去りにして。
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