君の背中に見えた輝く翼に、私は恋に落ちました
わたしが頭に手を乗せたまま

固まっていると…

「おーい!流羽?大丈夫ー?」

璃子と聖奈ちゃんが心配そうに

わたしを覗きこんでいる。

あ…

わたしはその声に

やっとのことで手を下ろした。

桐生くんの手…

大きくて温かかったな…

思い出して真っ赤になるわたし…

そんなわたしを見た2人は

顔を見合わせて笑っている。

「流羽、顔真っ赤!可愛いなーもう!」

聖奈ちゃんが頭をポンポンする。

「こんな反応今まで見たことない!

レア流羽だなー!」

ニヤニヤしている璃子。

そりゃ…

男の子が苦手なわたしが

真っ赤になるなんて…

わたしもびっくりだよ…

なんで桐生くんは平気なんだろ?

むしろドキドキするなんて…

今朝…

桐生くんの背中に輝く翼を

見たときと同じ。

ドキドキして胸がぎゅーってなって

目が逸らせない…

わたしはこの言い表わしようのない

気持ちが何なのか分からない。

だって、誰に対しても

わたしは、いつもビクビクして

ドキドキなんて、したことないもん。

わたしの中に、芽生えた

新しい感情に、ただただ

困惑していた。



< 14 / 102 >

この作品をシェア

pagetop