君の背中に見えた輝く翼に、私は恋に落ちました
そして、教室に戻ってきた。

席についてから、しばらくして

一条先生が教室に入ってきた。

教壇に立つなり

「じゃあ1人ずつ自己紹介!

そのあとクラス委員決めだからな!」

そして出席順に一言ずつ

自己紹介していき、

ついにわたしの番…

はぁ…緊張する…

思いきって立ち上がり

覚悟を決めた…

「春瀬…流羽で…す。

よろしくお願いします!」

勢いよく頭を下げた瞬間…

ゴンッ!!!

痛ーい!!!

机でおでこを強打した!

「い、痛いー」

必死におでこをさすっていると…

教室が大爆笑につつまれた。

おでこをさすりながら首を傾げる。

ん?

あっ!!

自己紹介の最中だった!!

恥ずかしい…

おでこをさすりながら

静かに着席。

「お騒がせしました…」

わたしの一言にまた大爆笑…

痛い、恥ずかしいの

ダブルパンチだよ…

すると…

わたしの視界の隅で

桐生くんが穏やかな笑顔で

こっちを見ているのに

気が付いた。

!!!!

笑われた!!

恥ずかしすぎる!

「強烈な自己紹介だな!」

先生の一言にまた大爆笑…

先生まで…

もう勘弁して下さい…

がっくり項垂れたわたしは

その後の自己紹介を

机に突っ伏して聞いた。

おでこがジンジンする…

たんこぶになったら、どうしよう…

そんなことを考えていると

気づけば自己紹介は終わっていた。

「じゃあ次!クラス委員決めだ。

男女1人ずつ、

立候補するやついるかー?」

さっきまでの賑やかさが

嘘だったかのような、静けさ。

誰も手を挙げない…

そりゃそうだよね…

とにかくわたしは無理だな。

目立つことと大勢の視線が

苦手だし…

だんまりを決め込む人や

どうする?と小声で話す人…

机に突っ伏している人もいる。

その時、先生が

「こうなることを考えて

くじを用意しておいた!

1人ずつ引きにこーい!」

ちなみに赤い星マークが

付いているのが当たりらしい。

みんなが順に引いていき…

ついにわたしの番…

当たりませんように!!

ドキドキ…

箱に手を入れてこれっ!と

思う1枚を選んだ。

そして全員が一斉にくじをひらき、

やったーと、歓喜にあふれるみんな。

わたしもくじをゆっくりひらいた…

ん!?赤い星マーク!!

…ってことは。

わたしクラス委員!?

がっくり肩を落とした…

振り返った聖奈ちゃんが

負のオーラをまとったわたしの肩に

手をおいて、ファイト!っと笑った。

笑えないよ、聖奈ちゃーん…

わたしは頭をかかえた。

「当たりの奴は誰だー?」

先生のよく通る声に

わたしはおずおずと手を挙げた…

すると…

わたしの視界の隅に

もう1人…手を挙げた人。

!!!

えっ…桐生くん?

ドキドキッ…ドキドキッ…

「おー、春瀬と桐生だな!

明日から頼んだ」

桐生くんと一緒にクラス委員…

嬉しいような、恥ずかしいような…

わたしは高鳴る鼓動を感じながら

そっと桐生くんを見つめた。













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