君の背中に見えた輝く翼に、私は恋に落ちました
足が痛くて動けなかったあの日…
わたしの足は切断された部分が
義足のソケットで擦れたのか
すりむけて炎症を起こし、
腫れも酷かった為、
患部にアイシングを行なった。
そして根気強くアイシングした
おかげで腫れはすっかり引き、
擦り傷の痛みもなくなった。
4日振りに学校へ行けることになり、
わたしは璃子にメールをした。
「心配かけてごめんね!
今日から学校行けるよ!」
璃子からの返信は…
「気にしなくていいから!
とにかく良くなってよかった!
寝坊したので、また学校で」
「了解!」
いつもと同じ返信をして
わたしはホームを出た。
学校までの道…
ゆっくり歩きながら
桜の木を見上げると
可愛いらしいピンクの花は散り、
新緑の青々とした
若葉になっていた。
あの時の、世界がピンクに
染まったような景色も好きだけど、
若葉の涼やかな感じも
すごくいいな…
それに空気が澄んでるみたい…
桐生くんに出会った日から
少しずつ季節も移ろい
環境も変化していく。
わたしも少しは成長出来てるかな?
「綺麗だなー…」
「なにが?」
後ろから急に声がしてわたしは
きゃっ!!っと悲鳴を
あげてしまった。
ばっと後ろを振り返ると
後ろにいたのは…桐生くん。
なんか、いつも後ろから
急に声かけられてるような…
「桐生くん…おはよう」
「おはよ。なにが綺麗だって?」
前を向いたまま聞いてくる桐生くん。
わたしは頭上の葉桜を指差した。
「葉桜だよ。
緑が鮮やかで綺麗だなって」
わたしの指差す先にある
葉桜を見上げる桐生くんは
フッと笑って、そうだなと呟いた。
そしてわたし達2人は
学校までの道を一緒に歩いた。
久しぶりの桐生くんは
変わらず無表情だけど、
声色が優しいところも、
たまに笑顔になるところも、
わたしのペースに合わせて
ゆっくり歩いてくれるところも…
なにも変わってない。
いつもの大好きな、桐生くんだ。
そんな当たり前のことが、
わたしは堪らなく、嬉しい。
その当たり前が、わたしにとっては
【特別】なんだよ…
ドキドキするのに、
安心もする。
すごく矛盾しているけど、
わたしの中では、そうなんだ。
真っ直ぐ前を向いて歩く
桐生くんを、そっと見つめる。
交わす言葉がなくても
ただこうして傍に居られるだけで
心が満たされる…
不意に、わたしを
見下ろして優しく笑う
桐生くんに、ドキドキしながらも
笑顔を返す。
この時間が、もう少しだけ
続けばいいのに…
わたしの足は切断された部分が
義足のソケットで擦れたのか
すりむけて炎症を起こし、
腫れも酷かった為、
患部にアイシングを行なった。
そして根気強くアイシングした
おかげで腫れはすっかり引き、
擦り傷の痛みもなくなった。
4日振りに学校へ行けることになり、
わたしは璃子にメールをした。
「心配かけてごめんね!
今日から学校行けるよ!」
璃子からの返信は…
「気にしなくていいから!
とにかく良くなってよかった!
寝坊したので、また学校で」
「了解!」
いつもと同じ返信をして
わたしはホームを出た。
学校までの道…
ゆっくり歩きながら
桜の木を見上げると
可愛いらしいピンクの花は散り、
新緑の青々とした
若葉になっていた。
あの時の、世界がピンクに
染まったような景色も好きだけど、
若葉の涼やかな感じも
すごくいいな…
それに空気が澄んでるみたい…
桐生くんに出会った日から
少しずつ季節も移ろい
環境も変化していく。
わたしも少しは成長出来てるかな?
「綺麗だなー…」
「なにが?」
後ろから急に声がしてわたしは
きゃっ!!っと悲鳴を
あげてしまった。
ばっと後ろを振り返ると
後ろにいたのは…桐生くん。
なんか、いつも後ろから
急に声かけられてるような…
「桐生くん…おはよう」
「おはよ。なにが綺麗だって?」
前を向いたまま聞いてくる桐生くん。
わたしは頭上の葉桜を指差した。
「葉桜だよ。
緑が鮮やかで綺麗だなって」
わたしの指差す先にある
葉桜を見上げる桐生くんは
フッと笑って、そうだなと呟いた。
そしてわたし達2人は
学校までの道を一緒に歩いた。
久しぶりの桐生くんは
変わらず無表情だけど、
声色が優しいところも、
たまに笑顔になるところも、
わたしのペースに合わせて
ゆっくり歩いてくれるところも…
なにも変わってない。
いつもの大好きな、桐生くんだ。
そんな当たり前のことが、
わたしは堪らなく、嬉しい。
その当たり前が、わたしにとっては
【特別】なんだよ…
ドキドキするのに、
安心もする。
すごく矛盾しているけど、
わたしの中では、そうなんだ。
真っ直ぐ前を向いて歩く
桐生くんを、そっと見つめる。
交わす言葉がなくても
ただこうして傍に居られるだけで
心が満たされる…
不意に、わたしを
見下ろして優しく笑う
桐生くんに、ドキドキしながらも
笑顔を返す。
この時間が、もう少しだけ
続けばいいのに…