君の背中に見えた輝く翼に、私は恋に落ちました
「「行ってきま〜す!」」

みんなで声を揃え、愛子さんに

大きく手を振る。

「気をつけてね〜!」

大きく両腕をぶんぶん振る

笑顔の愛子さん。

「「はーい!」」

ホームを出てわたしと太一で

凛ちゃんと蓮くんを小学校まで

送りとどける。

そのあとはお互い方向が別々なので

そこでバイバイする。

「太一、行ってらっしゃい!」

「おう!流羽もな!」

そしてわたしは璃子との

待ち合わせ場所に向かって

歩き出した。

そのとき璃子からメールが届いた。

内容は…

言わずもがな、遅刻のメールだ。

璃子は遅刻の常習者だ。

「ごめん!寝坊した!!先行ってて」

璃子さん…またですか…

こんな日にまで寝坊って…

香月璃子(かづき りこ)

一言で言えば美人。

背は170センチ、サラサラの長い黒髪、

キリッとしたアーモンド型の大きな瞳、

口元のホクロは大人の色気をだしている。

せっかくの美人も遅刻の常習者で

あることと、言いたいことを

ズバズバ言って相手のテンションを

地に落としてしまう。

だから、中学に上がる頃には

【空気の読めない残念な美人】

として認定されてしまった。

でも中にはわたしと同じ気持ちで

見てくれる人もいた。

なんでも素直に伝えてくれる正直者…

嘘は絶対につかないし、陰口も言わない。

【どこまでも真っ直ぐな人】

それが璃子という人間なのだ。

そんな璃子にわたしは

いつも通りのメールを返す。

「了解!!」

わたしは携帯をかばんにしまい

歩き出した。



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