君の背中に見えた輝く翼に、私は恋に落ちました
試合後の片付けをしていると
箕輪くんが、わたしの名を呼んだ。
「春瀬さん」
「あ、箕輪くん、お疲れ様でした!
すごく良い試合でした!」
わたしの言葉に、一瞬だけ
悔しさを滲ませた箕輪くんは、
フッと笑って、頭を掻いた。
「…うん、悔しいけど、
俺もそう思う。
ところで、ひとつ聞きたいことが
あるんだけど…」
真剣な表情に、目を瞬かせて
首を傾げていると…
「さっきの…試合前に、春瀬さんと
話してた奴って、彼氏?」
「へっ!?か、彼氏!??
えっと、あのー…」
突然の【彼氏】という響きに
恥ずかしくて、動揺していると、
「彼氏じゃないなら、
俺、立候補してもいい?
一目見て好きになったんだ…
春瀬さんのこと」
「えっ!?立候補って…
あの、ごめんなさい!
さっきの男の子…桐生くんと
付き合ってるの」
恥ずかしくて、尻すぼみに
なりながら伝えると…
「やっぱ、そうなんだ…
春瀬さん、可愛いしな」
あー!と言って
その場に、しゃがみこんで
頭をかきむしる、箕輪くん。
わたしは、箕輪くんの前に
しゃがんだ。
「気持ちには応えられないけど、
すごく嬉しいです。
ありがとう」
素直に嬉しいと思った。
こんな何の取り柄もない、
わたしを
好きだと言ってくれたことが…
でも…桐生くんに言われる
『好きだ』という言葉に感じる
ドキドキして、そわそわするような
特別な感情はない。
桐生くんだけに感じる
【特別】なドキドキ。
「わたしにとって、桐生くんは
他の誰かじゃ駄目で…
彼だけが特別なんです」
「ははっ!そっか!
そんな幸せそうな顔して、
言われたら
俺、何も言えないな!
でも…諦められないから、
覚悟しておいてくれよな!」
っ!!
幸せそうな顔って!
真っ赤になっているであろう顔を
両手で包んだ。
っていうか…今、諦められないって
言った??
わたし、断ったよね!?
目を瞬かせて、固まるわたしに…
「じゃあ、お迎えも来た事だし…
俺、行くわ!
またね!流羽ちゃん!」
「えっ…?お迎えって?」
わたしの後ろを指差しながら、
笑顔で去っていく、箕輪くんを
呆然としながら、見送っていると…
「また、あいつと話してたのか…
しかも、名前で呼ばれてるし」
頭上から、大きな溜め息とともに
ピリピリした気配が…
ゆっくり振り返ると、着替えを
終えた、桐生くんが立っていた。
「っ!?桐生くん!
いつから、そこに!?」
まさか…今の会話聞かれてないよね?
桐生くんは特別だなんて、
恥ずかしくて本人にさえ、
言ったことないのに!!
しかも、告白されて、断ったのに
諦めなれないからって…
あの場の冗談かなにかだよね?
立ち上がりながら、桐生くんを
見上げた。
「あいつが…箕輪が、指差しながら
名前呼んだあたりから」
「え?名前?」
呼ばれたっけ?
今は、名前よりも
告白を断ったのに、
諦められない宣言されたことが、
頭の中を真っ白にしていて…
「何話してたんだ、あいつと。
顔、真っ赤になってるし」
咄嗟に頬を包むと…
熱い…
ここは、隠さずに話すべきだよね?
桐生くんに嘘とかつきたくないし…
「あ、あの…、告白されて…
でも!断ったから!
ただ…諦められないって
言われたけど
きっと、それは冗談だと思う」
普段、どんな事にも
表情を崩さない、桐生くんが
明らかに、黒いオーラを放っている。
「やっぱな…そんなことだろうと
思った。
春瀬、ちょっと」
「えっ!?桐生くん!?
どこ行くの?
そろそろ、バスに向かわないと…」
わたしの手を握り、ドカドカ歩いて
向かったのは…
相手チームが談笑する輪の中の
1人…箕輪くん。
えっ!?まさか!!
桐生くんの手をギュッと握って、
止めようと、力を込めるけど、
大きい桐生くんの力には、
敵うはずなくて…
あっという間に、箕輪くんの前に。
まさか、喧嘩になったり
しないよね??
不安げに見上げる、
わたしをよそに、
桐生くんが、箕輪くんに
声を掛けた。
「箕輪…ちょっと話せるか」
いつになく、低い声が聞こえて
背筋に冷たいものが流れた。
笑顔で談笑していた、
チームの人達も
桐生くんの気迫に、驚きながら、
箕輪くんを見て…
「おい、箕輪…
おまえ、
なんかしでかしたんじゃない
だろうな?」
「なんもしてないよ。
ちょっくら行ってくるわ!」
輪から抜け出し、桐生くんに
対峙する箕輪くんには、
さっきの笑顔はなくて…
1度、わたしに視線を向けて、
再び、桐生くんと向き合った。
箕輪くんが、わたしの名を呼んだ。
「春瀬さん」
「あ、箕輪くん、お疲れ様でした!
すごく良い試合でした!」
わたしの言葉に、一瞬だけ
悔しさを滲ませた箕輪くんは、
フッと笑って、頭を掻いた。
「…うん、悔しいけど、
俺もそう思う。
ところで、ひとつ聞きたいことが
あるんだけど…」
真剣な表情に、目を瞬かせて
首を傾げていると…
「さっきの…試合前に、春瀬さんと
話してた奴って、彼氏?」
「へっ!?か、彼氏!??
えっと、あのー…」
突然の【彼氏】という響きに
恥ずかしくて、動揺していると、
「彼氏じゃないなら、
俺、立候補してもいい?
一目見て好きになったんだ…
春瀬さんのこと」
「えっ!?立候補って…
あの、ごめんなさい!
さっきの男の子…桐生くんと
付き合ってるの」
恥ずかしくて、尻すぼみに
なりながら伝えると…
「やっぱ、そうなんだ…
春瀬さん、可愛いしな」
あー!と言って
その場に、しゃがみこんで
頭をかきむしる、箕輪くん。
わたしは、箕輪くんの前に
しゃがんだ。
「気持ちには応えられないけど、
すごく嬉しいです。
ありがとう」
素直に嬉しいと思った。
こんな何の取り柄もない、
わたしを
好きだと言ってくれたことが…
でも…桐生くんに言われる
『好きだ』という言葉に感じる
ドキドキして、そわそわするような
特別な感情はない。
桐生くんだけに感じる
【特別】なドキドキ。
「わたしにとって、桐生くんは
他の誰かじゃ駄目で…
彼だけが特別なんです」
「ははっ!そっか!
そんな幸せそうな顔して、
言われたら
俺、何も言えないな!
でも…諦められないから、
覚悟しておいてくれよな!」
っ!!
幸せそうな顔って!
真っ赤になっているであろう顔を
両手で包んだ。
っていうか…今、諦められないって
言った??
わたし、断ったよね!?
目を瞬かせて、固まるわたしに…
「じゃあ、お迎えも来た事だし…
俺、行くわ!
またね!流羽ちゃん!」
「えっ…?お迎えって?」
わたしの後ろを指差しながら、
笑顔で去っていく、箕輪くんを
呆然としながら、見送っていると…
「また、あいつと話してたのか…
しかも、名前で呼ばれてるし」
頭上から、大きな溜め息とともに
ピリピリした気配が…
ゆっくり振り返ると、着替えを
終えた、桐生くんが立っていた。
「っ!?桐生くん!
いつから、そこに!?」
まさか…今の会話聞かれてないよね?
桐生くんは特別だなんて、
恥ずかしくて本人にさえ、
言ったことないのに!!
しかも、告白されて、断ったのに
諦めなれないからって…
あの場の冗談かなにかだよね?
立ち上がりながら、桐生くんを
見上げた。
「あいつが…箕輪が、指差しながら
名前呼んだあたりから」
「え?名前?」
呼ばれたっけ?
今は、名前よりも
告白を断ったのに、
諦められない宣言されたことが、
頭の中を真っ白にしていて…
「何話してたんだ、あいつと。
顔、真っ赤になってるし」
咄嗟に頬を包むと…
熱い…
ここは、隠さずに話すべきだよね?
桐生くんに嘘とかつきたくないし…
「あ、あの…、告白されて…
でも!断ったから!
ただ…諦められないって
言われたけど
きっと、それは冗談だと思う」
普段、どんな事にも
表情を崩さない、桐生くんが
明らかに、黒いオーラを放っている。
「やっぱな…そんなことだろうと
思った。
春瀬、ちょっと」
「えっ!?桐生くん!?
どこ行くの?
そろそろ、バスに向かわないと…」
わたしの手を握り、ドカドカ歩いて
向かったのは…
相手チームが談笑する輪の中の
1人…箕輪くん。
えっ!?まさか!!
桐生くんの手をギュッと握って、
止めようと、力を込めるけど、
大きい桐生くんの力には、
敵うはずなくて…
あっという間に、箕輪くんの前に。
まさか、喧嘩になったり
しないよね??
不安げに見上げる、
わたしをよそに、
桐生くんが、箕輪くんに
声を掛けた。
「箕輪…ちょっと話せるか」
いつになく、低い声が聞こえて
背筋に冷たいものが流れた。
笑顔で談笑していた、
チームの人達も
桐生くんの気迫に、驚きながら、
箕輪くんを見て…
「おい、箕輪…
おまえ、
なんかしでかしたんじゃない
だろうな?」
「なんもしてないよ。
ちょっくら行ってくるわ!」
輪から抜け出し、桐生くんに
対峙する箕輪くんには、
さっきの笑顔はなくて…
1度、わたしに視線を向けて、
再び、桐生くんと向き合った。