記憶を失くした少女【完】
それから数分後に、賑やかな声と共に屋上のドアが開いた。
____ガチャ。
「あ!遥輝もういたのか~!!……………………ってそいつ…………っ!!!」
最初に入ってきた大平くんは遥輝の横に立つ私を見て目を見開いていた。
相当驚いている様子だけど、それも無理はないだろう。
昨日、忠告した私がRYUSEI総長、遥輝の横に立ってるんだから。
「どうしたの?大平」
後ろから来ていた仲間たちも、次第に屋上の中へ到着した。
「あ、この子昨日大平が脅した子じゃん」
女の子のようなかわいい顔にピンクの髪の毛…………………確か天野くん。
「はぁ!?そんな誤解するようなこと言うなよ!俺は忠告をだな………」
「大平そんなドアの前に突っ立たないでよ。じゃま………ってあれ?あなた……………昨日の人だよね~!」
大平くんの後ろから、ひょこっと姿を現した姫の萌ちゃん。
大平くんには辛口なのね……………(笑)
「このことも含め、ここに呼んだからして何か説明があるんだろう?」
黒ふちメガネをした、いかにも頭が良さそうな男はとても落ち着いている。
メガネと言っても暗い感じではなくて、メガネの似合うイケメンといった感じ…………………。
この人は同じクラスの人じゃないから、たぶん隣のクラスの人だよね。