記憶を失くした少女【完】
「それにコイツの歌を聞くのは好きだから、歌うより聞いてた方が俺に取ったらいいんだよ。賑やかで楽しいだろ?」
………………あ、それは分かるかも。
今この時間がとても楽しい。
失礼だけど学校サボってよかったって思っちゃう。
「また………私も一緒に来ていいかな?」
「当たり前だろ。友達なんだから」
"友達"。
そんな言葉が何だか嬉しくて、少し涙が出そうになったけど隣にいる遥輝に分からないように笑ってみせた。