記憶を失くした少女【完】
凌馬さんのバー
次の日。早い時間に寝てしまったせいか、4時半に起きてしまった。
二度寝しようかも考えたが、目が覚めてしまった為仕方なくベッドの中から出る。
______ピッ。
テレビをつければ、良くわかんない番組や通販系ばかりが流れていた。
静かよりはマシだと思いながら、冷蔵庫の中からミネラルウォーターを取り出すと、ソファーの上に腰をおろしそれを飲む。
夜ご飯を食べ忘れたせいか、時間が経つに連れ、お腹も何だか空いてくる。
冷蔵庫には食材となる物は置いていないため、料理という選択はまずない。
となると、外へ買いに出かけないといけない。
そういえばここに車で来るまでの間、コンビニが近くにあったことをふと思い出した。
コンビニなら24時間営業してるし、早い時間でも開いてる………。
私は近くに置いているギラッギラしたピンク色財布を手に持つと、鏡の前で軽く身なりを整えたあと家を後にした。
朝はまだ少し風が肌寒い。
上にジャンパーを羽織っていて正解だった。
アパートから出て直ぐに左に曲がり、まとは真っ直ぐ進んだ辺りの場所にコンビニはあった。
______♪♪♪
朝方のコンビニは従業員もそうだけど、お客も少なく、私以外お客は誰もいなかった。
「いらっしゃいませー」
深夜帯の人だろうか。少し気だるそうな感じ。
「お願いします」
取りあえず梅おにぎりと昆布おにぎりを買って、コンビニを後にした。