記憶を失くした少女【完】
Season2
彼を苗字で呼ぶ理由
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「暑い…………」
季節は夏に突入し、黒が特徴的だった長袖の冬服も白が特徴の半袖に衣替えされた。
家のクローゼットに眠っていたのを探し出したんだけど、相変わらずスカート丈はとても短い。
気をつけないとパンツが見えてしまいそう。
「今日は何買うんだ?」
「夏用の私服買いたくてさ、取りあえずBelizeに寄ってもいい?」
正式にRYUSEIの姫になった事によって他の族にも知れ渡ったらしく、仲間になって幸せに浸る分、危険性も増したらしい。
だから、行きはともかく帰りは1人で帰らないようにと、幹部の誰かが私を送ってくれることになった。
いつもは遥輝が一緒に帰ってくれるけど、今日は用事があった為、大平くんが送ってくれてる。
ついでに夏服を買おうと、バイクで商店街に寄ってもらった。
「あ、これ可愛い!これもいいなぁ…………」
春服とは違って、雰囲気の軽いナチュラル系で可愛い新作の服がたくさん置いていた。
オフショルダーとか少しセクシーだけど、肩出しなしにも出来て、色によっていろんな服と合わせやすい。
特に白のオフショルダーは、デニムのスボンと相性抜群だ。
あとは、スカートに見える赤色のガウチョパンツも買っておこう。
下が白のフリフリになってるチェックのワンピースも買って……………………よし!