記憶を失くした少女【完】
取りあえず校門の外から出ると、早速話を振ってみた。
「最近、よく昼間にどこか行くみたいだけど習い事?」
習い事ではないと思うけど、疑われないようにあえて遠回しに。
「………え?萌昼間にどこか行ってたぁ?」
返ってきたのは意外な回答……………。
「でも、学校の外出るの見たって…………」
「気のせいじゃない?萌、確かに教室に居なかったけど校内を散歩してたしぃ………」
あれれ?でも、確かに……………いや、遥輝の見間違え?
萌ちゃんが嘘つくとも思えないし、かと言って遥輝が見間違えるなんてのもおかしいし……………。
「あ、そうだ!ちょっと繁華街の方よっていいかなぁ?」
「あそこの?買い物なら商店街の方が色々あるよ?」
それにあそこの繁華街って昼間は安全だけど、ホテル街じゃ……………。
「いいの!そこら辺に可愛いお店があってね!そこによりたいのぉ」
……………それなら仕方ないのかな?
「わかった!じゃあ行こうか」
「うん!ありがとう♪」