記憶を失くした少女【完】
「それよりよぉ……………綺羅はどうなっちまうんだ!?奴らの手に渡ってしまったし…………転校だとか言ってなかったか!!??綺羅に会えなくなるとか俺嫌だぜ!!!」
大平も含めて、周りも同じく不安な顔をしている。
萌に関してはあまり体調が良くない。
「萌はそこのソファーで寝てろ」
「…………………………うん」
RYUSEIがこんな状態のときに、他の族から攻められたら少しヤバイ。
だからまずは感づかれないようにしなければ。
「いいか。よく聞け。この雰囲気を周りの族に気づかれるな。下っ端たちにもそうだ。俺らの乱れは族の乱れ。周りまでも不安な気持ちにさせるな」
「…………………わかった。でも、綺羅は___…………」
「今日はもう遅い。その話はまた後日話し合おう。それまでに今自分たちが出来ることを互いに実行しろ」
混乱した状態で話は進まない。
まずは冷静になることが大切だ。