記憶を失くした少女【完】
____ピーンポーン♪
朝の9時頃。チャイム音で目が覚めた。
転校するまでの間、学校に行かなくてもいいという事で自宅待機になったから、好きな時間まで寝ていられるんだよね……………。
ドアを開けると眠そうな凌馬さんが立っている。
「寝起きっぽい顔してんな(笑)」
「今起きた~………………」
眠くて思わずあくびをすると、
「俺も寝たの遅いから眠いんだよなぁ~…………」
つられたように凌馬さんもあくびをした。
「取りあえず中にどうぞ」
「あぁ。悪いな」
バッグを持っているところを見ると、資料か何かを持ってきたんだろう。
「これ、資料」
案の定凌馬さんはバッグの中から、雑誌のように分厚い学校のパンフレットを手渡してきた。
表紙は学校をバックに撮った制服姿の男女の写真。
ここはセーラー服なんだ。
黒色ベースで、ラインは赤。スカーフも赤だ。
「靴下は規定ー?」
「いや、靴下の色、冬のカーディガンの色。あと、スカートの長さも自由だとか言ってたっけな?」
「ふーん………」
割と自由な校風っぽいね。