記憶を失くした少女【完】
「あ、そうだ。萌ちゃんが覚悟してんだし、私も言わなきゃね」
「は?何をぉ?」
思っても見ないだろうなぁ…………………………目の前にいるのがまさかの記憶戻ってた、なんてね。(笑)
「私、記憶戻ったから!」
「はぁ!!??」
思った通りいいリアクション。
「じゃあ、なに!?あの嫌味ばっかの山田綺羅に戻ったってことぉ!?」
「ううん。性格自体は対して変わんない。ただ今までのことを全て思い出しただけ」
「じゃあ何?やましい気持ちがあるから遥輝たちから離れたの?」
「それは違う。確かに記憶を思い出してみんなの側にはいられないと思った。前の私を知ってるからこそ汚れた私を見てほしくなかったし、触れてほしくもなかった。だから、いられなかった」
「ふーん……………。確かにアンタはみんなの側にいる資格はないわ」
う"…………………。
「でも、前のことも含めてアンタだもんね。そう打ち明けてくれたのは遥輝たちにも言う気なんでしょ?別にアイツらは普通に受け入れてくれると思うけどね。なんせ萌を受け入れてくれた人たちだから」
ん?萌ちゃんを受け入れてくれた……………とは?