記憶を失くした少女【完】


「…………………知らないのね。それもそうか。詳しい話は大平ぐらいしか知らないもん。萌は以前、偏差値の高い学校に通っていたの。なぜか男にはモテてね、こんなじゃベリ方だしぃ、よく思わない女たちは萌のことをイジメ始めたわ。耐えられなくなった萌は転校したけど、そこでも馴染むことができなかった」


馴染むことが出来なかったって……………………遥輝もいつか話してた気がする。



「そこからは知ってると思うけど、小中一緒だった幼馴染の大平とばったり学校で再会してから、大平の勧めで姫になったってわけ」


そうだったんだ…………………そんな事があって、今に至るんだ。


「萌の過去を受け入れてくれた人たちが、あなたをけなすはずがない。それにそんな人たちじゃないって、綺羅ちゃんも知ってるもんね……?大平を…………みんなをよろしくね」



萌ちゃん………………………。


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