記憶を失くした少女【完】
保健室の天井と、あのときの病院の天井がどことなく似ていたからか、ふいに私が記憶をなくしたときのことを思い出させる。
目が冷めたら病院のベッドの上で、自分のことも状況も分からない、何かがポッカリ空いたような感覚。
凌馬さんが帰ったあとは、寂しくて孤独で、早く明日にならないかなって思った。
この天井は、そんな感覚を思い出させる。
______スゥ…………。
ひと呼吸をおいたあと、ゆっくりと目を閉じると、気持ちが良くて、数分もせず眠ってしまった。
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