記憶を失くした少女【完】
臆病
【side遥輝】
『…………この学校には、私の味方なんていない』
そう言うアイツの目は潤んでいて、悲しげな表情をしていた。
とても演技にはみえず、記憶喪失ってやつも本当なのかって思わされる。
商店街で偶然会ったときも、今のように怯えたようなやつだった。
周りの目を気にし、ビクビクしてるようなやつ。
不思議と周りから絡まれやすいってのもあると思う。
俺と会うとき、必ず何かしら絡まれてるし…………。