記憶を失くした少女【完】
なんか、目が離せねぇやつなんだよな。
放っとくとまたどこかで絡まれてそうな………。
「はぁ……」
不意にため息が出た。
「遥輝がため息なんて珍しいな~!あ、ついに春の予感!?(笑)」
「大平、それは違うんじゃない?遥輝、なんか悩みがあるの?」
大平とは違って瑠衣の方が割と真面目。
見た目に反し、雰囲気は落ち着いてるし。
「なんもねぇーよ。心配させたな」
「そう。何かあったら言ってよね?気になるしさ」
瑠衣はそう言うと、ケータイに目を戻した。